【2025/07/04】特別講義をしました in 金沢工業大学(当日の講義内容の紹介付き)

先日、金沢工業大学にて、学生さん向けに特別講義を行う機会をいただきました。
講義のテーマは「北陸発のIoT事例紹介」
本講義では、弊社の宮本が自身のこれまでの経験を踏まえ、産業用IoT(IIoT)の導入事例に触れながら、「IoTという技術そのものではなく、それをどう現場に活かすか」という考え方やプロセスに重点を置いてお話ししました。


-以下、講義の内容をかいつまんでご紹介-
現場での気づきから始まるIoT導入
IoT導入というと「センサーを付ける」「クラウドとつなぐ」といった技術的側面に注目が集まりがちですが、実際の現場ではその前段階である「お客様が何に困っているのか?」という課題の発見が非常に重要になります。
今回紹介した事例では、「装置の異常を目視確認していたことによる対応の遅れ」や「現場にいない稼働状況が把握できない」といったちょっとした不便から、IoTの導入がスタートしました。

解決策は「最先端」より「現場に馴染むこと」
課題解決に対して、弊社が大切にしているのは「現場の負担を増やさないこと」です。
例えば、センサデータを用いた稼働状況の取得では、既存設備の信号線を活用しデータを取得できるよう、できるだけシンプルで効果的な方法を選択しました。また、工場内のどこにいても装置の状態を確認できるように大型モニタを設置したり、現場で使われていたホワイトボードの情報をシステム化するなど、現場での運用に自然と溶け込むよう工夫しました。
このように既存の設備や仕組みを活かしながら、IoT導入は目的ではなく、あくまで課題を解決するための手段だという考え方で課題解決を行います。

結果だけでなく「プロセスの価値」が重要
今回の講義では、「この技術を導入しました」という成果そのものだけでなく
- どうやって課題に気づいたのか
- どんな選択肢があり、なぜその手段を選んだのか
といった、意思決定のプロセスや現場との向き合い方も重視して紹介しました。IoTを使う技術としてだけでなく、考える過程も大切だということを、学生に伝えられたら嬉しいです。
おわりに
IoTやDXという言葉はどうしても先進的なイメージが先行しますが、実際の現場はもっと地道な取り組みの積み重ねです。これからも現場での気づきを大切にしながら、お客様の課題を技術でどう解決するかにこだわる取り組みを続けていきます。